だいいち4月号

「ご入園、ご進級おめでとうございます」 

 

                                    園長 菊池 房子

 

春の柔らかい日差しに桜の花びらが優しく舞う中、49名の新入園児を迎え、303名で令和6年度がスタートします。暖かい風に乗って期待に胸を膨らませてやってくる子どもたちにとって、元気に楽しく過ごせる第2のお家でありたいと思っています。子どもの心に寄り添い、不安を笑顔に変えていけるよう、今年度も職員一同、力を合わせていきたいと思います。保護者の皆様、ご理解ご協力よろしくお願い致します。

 

 

 

「今年度の取り組みについて」 一人ひとりの子どもと丁寧に関わる

 

 令和611日に発生した能登半島地震及びこれに伴う災害により被災された保護者等に係る対応、オールこども石川において令和6年能登半島地震及びこれに伴う災害により被災した児童の受け入れが全国の保育所で始まっています。他国では戦争も起こり、何が起こるか分からない時代を生きていかなければいけない子どもたちにとって、今私たちが出来る事は何なのか、常に危機感を感じながら過ごしています。集団生活の中で子どもを待たせたり急がせたり、もっと丁寧にと思ってもすぐに関われなかったり、大人の願いをあれこれ伝えて出来る事を増やすことだけが育てることなのか、と疑問に感じ、職員で話し合いを重ね、保育者主導の保育から子どもの主体性を大切にした、遊び中心の保育に大きく方向転換して15年がたちます。子どもたちが一生を幸せに暮らす為には、まず「心を育てたい」そんな思いから、3歳以上児は異年齢保育、3歳未満児は緩やかな担当制を始めました。子ども主体の保育が謳われている昨今ですが、「それぞれが好きな事を好きなだけやればいい」という意味ではなく、「自分でやりたいことを見つけて方法を考えて達成していくこと」「出来るようになった結果だけではなく、日々のプロセスや自分なりに工夫して考え心が動いている事が大切」な事です。つまずいたって、ぶつかったって、落としたって、急に雨が降ってきたって等々、数えきれないくらいの思いがけないことが毎日起こりますが、だから失敗しないように、思いがけないことが起こらないようにと、どんなに注意したところで起こってしまいます。失敗したらどうしよう、と思うより失敗なくできた事を認めたり褒めたりする事や、うまくいかなかった時に工夫したり上手に誰かに助けを求めたり、大人が面白がることができる関わりをする方が大切だと感じています。今年度も、排泄、手洗い、食事など生活の基礎となることを、子どもの思いを聞きながらゆったりと関わり、自分で身の回りの事を落ち着いて丁寧に出来るように見守っていきたいと思います。そして子どもが、心を動かして遊びたい遊びを夢中で楽しむことの出来る環境を引き続き用意し、情緒が安定して過ごしていけるようにしていきたいと思います。

 

令和21月から感染が広がった新型コロナウイルスも去年の5月には5類となりましたが、コロナ禍となった4年間は本当に経験したことのないような大変な日々の中で乗り越える事ができました。貴重な経験として忘れることはありません。子どもたちも新年度がスタートし、新しい環境に慣れるまでに時間がかかったり、疲れが出て来たりすると思いますが、焦らずに生活リズムや体調を整え、子どもたちの声に耳を傾けながら温かく見守って頂けたらと思います。私たちも、保護者の皆様と共に子育てを楽しんでいきたいと思いますので、ご理解ご協力をよろしくお願いします。